弘前市が弥生スキー場建設計画跡地に建設しようとしている
「岩木山弥生地区自然体験型拠点施設」の問題点(その2)
この広さ(約40ha)に大がかりな改修と基礎工事がなされ、その後に建造物や何とか広場が設営される。
自然改修がともなう工事は『自然の破壊』でしかない。自然と景観は台無しだ!当時(弥生スキー場建設を県が認めなかったことで弘前市が断念した直後)、本会も「跡地」活用として「自然教育園」構想を「弥生地区整備懇談会」に提案したことはある。
しかし、それはあくまでも森林の回復が前提条件のことであったし、人工的な建造物を出来るだけ造らないことを念頭においたものであった。次に、本会が「弥生地区整備懇談会」に提案した「跡地」活用の概略と理念について簡単に述べることにする。今回出された「岩木山弥生地区自然体験型拠点施設」との違いに注目してほしい。
「跡地」活用の概略と理念
1 跡地整備の前提条件
岩木山全体を考える。一つのまとまりある景観的要素を重視して、県の景観条例に抵触するような人工物の建設は避ける。
ここでの営利事業はしない。会社は解散し、会社の責任で負債清算をし、市税の投入は避ける。
2 整備のコンセプト
景観の保全
スキー場、スカイライン自動車道路、ゴルフ場、ホテルなどの建設は岩木山の景観を十分損ねている。コニーデ型山容の岩木山はその緩やかな山麓を含めた山容が美しく、それを支えているのは緑溢れる森だ。それが前景ととなり岩木山全体を引き立てる。
自然の復元
岩木山は孤峰であり狭い山域であるが故に局部的な環境破壊も生育・生息している植物・動物に深刻な影響をもたらすのである。破壊された自然を復旧することが、現世代の人間に与えられた課題である。自然破壊行為はしてはならない。
昔からそのままの、改変しない地域を利用
当該地区からは遠望として八甲田山系や中山山脈、県境の連峰が見え、近景としては弘前市街地、近隣の市町村がよく見える。自然と触れあう爽やかさ、安らぎなどを求める場所として活用されてはじめて真の価値が発揮される。自然の人工的な改変はすべきでない。
本会が望む自然教育園
1 ソフト面からの整備
箱物的な建造物建設は極度に抑えて、ソフト面(自然観察のノウハウと指導の質的な高まりおよび量的な増大)の整備に重点を置くべきであって、多数の自然観察アドバイザーのような人的な養成に力を入れるべきである。
2 森の再生と回復
コナラ林、ミズナラ林、ブナ林、その他落葉樹が入り混じった雑木林の再生。長期計画によって観察、体験・散策、保養林として整備をする。完成に至る過程で学習を取り入れ、草本や灌木の群落の活用も考える。
3 安らぎ空間の設定
一部を野芝群落のような場所として、語らいの場所とする空間形成を考える。
4 エコ・センターの設置
森林の再生・復元後に自然観察に必要な予備知識を提供するため、岩木山の自然についての展示施設の建造。単なる陳列場ではなく、外の自然と自然観察アドバイザー・ボランティア等を介して直通するものとする。
(その3に続く、8日午後6時市役所前で会いましょう。跡地問題を考える市民の集いです。)