弥生跡地での二ホンザリガニ生息確認について 06年9月

 2006年9月23日、通称「弥生跡地」で自然観察会を開きました。「跡地」には流水のある沢が2本と伏流で視認されませんが下部で湧き出したり、しみ出ている沢が数本あります。その中の一本の沢でニホンザリガニの成体を一匹、幼体を一匹捕獲しました。(捕獲者は三浦章男事務局長)この2匹は約50cm四方という狭い範囲に生息していたものです。おそらく、多数生息しているものと考えられます。
 森林が伐採されて表土をはがされた「跡地」の沢で生き延びてきた理由は、きれいな湧水が流れるところ・水温が20℃以上にならないこと・巣穴となる土や砂が沢縁に貯まることなどを生息条件としていることを考えると、特定出来ませんが「上部に森林が残っていたこと」「この沢の周囲の森林の自然回復が比較的早く日陰を作っていたこと(近くに植樹されたブナは2mにもなっていないが跡地のこの部分は野生のハンノキなどがすでに7〜9mに成長している。)」などでしょう。 

:「ニホンザリガニ」日本の特産種で北海道・東北地方北部(青森・秋田・岩手各県の一部)にしかいない。秋田・岩手各県はほんの一部であり、青森県も津軽半島の山岳域、岩木山など限られている。
      
・英 名
 ジャパニーズ・クレイフィッシュ
・学 名
 Cambaroides japonicus
・成体の平均的体長
 5〜6センチ程度
・性成熟期間(繁殖が可能になるまでの期間)
 約5年(自然下棲息の場合)
・成体の平均的体色
 濃茶褐色〜明赤褐色、濃緑褐色・青色など

1.発見され捕獲されたザリガニ(体色は茶褐色・確認後元に返した)

2.生息地のニホンザリガニの成体(中央)

3.生息地のニホンザリガニの幼体(中央少し上.体色は透明感のある淡い飴色)