自然観察会に参加して

 99年10月10日、自然観察会に参加して鰺ヶ沢スキー場拡張予定地のブナの森を散策しました。今回は2歳4ヶ月になる子どもも連れて3人で参加しました。
 雑木林を抜けて拡張予定地の森へ足を踏み入れた時、目に飛び込んできた美しい森を見てある場所を思い出しました。下生えの少ない林床、適当な密度を保って林立するすらりとしたきれいなブナの木々・・・それは、白神山地の「クマゲラの森」です。ブナがもう少し太くなったら、やがてこの森もクマゲラの森になるかもしれないと思いました。また、ブナの木につけられた「熊の爪痕」の多さにも感激しました。これらは、この森の豊かさを表す証だと思います。
 森の中では、参加していた子ども達とうちの子どもも一緒になって、木登りをしたり、落ち葉やドングリ拾いをしたり、昆虫やキノコを見つけて遊んでいました。子ども達の遊ぶ光景を見ながら、「この子ども達が親になったとき、はたして今と同じように自分の子ども達と森で遊ぶことができるのだろうか」と、ふと考えてしまいました。開発されてしまえば、その機会は永久に失われることになります。この森は、もうこれ以上開発の手を加えずに後世に引き継ぐ努力をするべきだと、強く思いました。

十和田市 新藤潤一


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